散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ザ・フレーム

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この人生は筋書きのあるドラマ、創られた物語ならば、どこかで誰かに覗き見られているに違いないという強迫観念、あるいは孤独が癒されるなら、誰かと繋がっていられるのなら、時空を超えた向こう側の世界であってもいい、どうか私の人生を見ていてほしいという深層心理。そんな中二病的想像力……どころか小ニくらいで抱きはじめる妄想を映画というフレームにまで引き延ばして語る、パラレルワールドへのロマン。

稚拙なストーリーテリングに気恥ずかしさを覚えながらも、自由と愛と意味の袋小路に入り込んでしまった、彼ら映画の登場人物たちと同じく物語の奴隷として生きる者であれば、本作を無下に扱うことはできない。
この夢は私の夢のようだと言わざるを得ない。
異次元の描かれ方なんか、『インターステラー』以来のシンクロニシティだった。


☆3.3

(2018/12/18)