散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

劇場版 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)負荷領域のデジャヴ

止まることなく、戻ることなく、交わることのない流れの中で。ただ一人、それぞれに選ばれた未来を生かされる。無限に広がる可能性、つまり一秒ごとに世界線を超えて、有り得べき世界を日々繰り返し、夢であるはずがない夢と、現実であってはならない現実と…

劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME

変わり続ける者だけが変わらずにいられるのだろう進み続ける人だけに帰るべき町の夕暮れは美しい 走り続ける君がふと振り返る、笑顔の眩しさ微笑み返す過去の切なさ「いつか」は「いつも」へ未来は過去を追い越して僕らは彼女を追いかけて 繰り返される明日…

エル ELLE

サスペンスとしてはあまりに歪な、とはいえコメディと呼ぶにはブラックの行き過ぎた……複雑で多面的な、矛盾すらを孕んだ人間ドラマと言う他ない異様な語り口。あえて、所謂レイプリベンジものにジャンル分けしてしまうならば、他に類を見ない爽やかな読後感…

アダムス・ファミリー2

続編ものには珍しく、パート1に勝るとも劣らない名作。前作を凌ぐほどの生理的嫌悪感とは、つまり悪魔の誘惑にさらされた無垢が次なる女の誘惑におそわれる悪夢、その悦楽に溺れるものであった。 道徳の顛倒に魅せられた新たなる世界観。大層コミカルな怪奇…

アダムス・ファミリー

道化師は素顔見せずに。白痴は真実を語り。アダムス一家は不幸を笑い。死臭と腐敗のこの世の墓場でワルツを踊る。 “怒れる群衆”、そっち側の真人間の一味に違いなかった私にとって、この道徳の顛倒がいかに汚らわしく魅惑的なものであったか。現在にも続く眩…