散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生

視覚メディアに追体験される“見えない”ということへの恐怖と閉塞感。そのリアリティに対し、誰もが“障害”に手を差し伸べ、夢見ることを諦めさせない優しい世界のファンタジー。虚構に希望を託す、それも映画の良心。「幸福への道はない、歩みこそが幸福なの…

THE LAST OF US

生きることに絶望した男が最後の希望を少女に託す、そんな紋切り型のロードムービーがポストアポカリプスのまさしく世界の終わりの風景と重なり、ゲーム原作とは思えないほど深遠でそして多様な人間模様を紡ぎ出す。 いずれ終わる、意味もない。それでも進み…

スコーピオン・キング

さながらWWEのリアリティライン。ハムナプトラ2の設定どこ行った、まるでヒールから善玉レスラーへと転向し、正義の大立ち回りを演じるスコーピオン・キングこと、ロック様こと、ドウェイン・ジョンソンの映画本格参戦。 ☆2.8

ハムナプトラ2 黄金のピラミッド

彼らにとってのインディー・ジョーンズが、僕らにとってのハムナプトラシリーズ。我らがブレンダン・フレイザー。レイチェル・ワイズのキャットファイト。そして大人になって見返すことには、イムホテップの悲しき愛の結末に同情を禁じ得ない。愛とロマンと…

ホモ・サピエンスの涙

Studio24の住人たちにまた会えたよろこび。 すべてがあまりに早く過ぎ去ってしまう現代の日々に、時間を遅らせるアートの営み。しばしの休息に孤独を癒し、隣人愛をとりもどす。誰もが問題を抱えて生きている、その苦しみや愚かさをオフビートなユーモアで閉…

日曜の夜ぐらいは...

ありがとう、ごめん、いいねがもうしつこくて、必要以上の優しさが野暮で、でもそこから始めなくちゃいけないくらいに脆く、壊れてしまった現代を生き抜く戦士たちのしばしの休息。こんなことがあったらいいな、こうであったらいいのになという願いに救済を…

THE FIRST SLAM DUNK

わかりきった結末をなぞる、スローモーションの無の境地。そのカタルシスはまさにゾーンの追体験。身体性を伴う感情の揺らめきにこそ人は動かされる。 さりげなくも、やはり。「あきらめたらそこで試合終了」という不屈のメッセージが、宮城リョータにさえな…

だが、情熱はある

“で”いいじゃなくて“が”いい。うまそうより、うめぇ!と言える人生への当事者性を示すべく、小ネタや再現にハスることなく、その愛やリスペクトを情熱に伝播する一球入魂。ファンムービーかくあるべし。 ★4.0

あの頃をもう一度

音楽が鳴り出せば、ステップを踏むだけ。ビートに合わせてグルーヴに揺れ、そして分かち合う。恋人たちは雨に唄う。簡単なことだ。鼓動を感じて、時を止めないで。愛を捨てないで。“あの頃”を駆け抜けて、それぞれの場所でそれぞれのやり方で、人生は踊る。

紙ひこうき

まるで『ラ・ジュテ』のようなモノクロの逆光に、振り返る彼女のおぼろげな横顔。一期一会の恋が交差する大都会、東京の想い出をかさねる。