2025-01-01から1年間の記事一覧
きみに読む物語 ビフォア・サンセット エリザベスタウン サムサッカー あなたになら言える秘密のこと 恋愛睡眠のすすめ ラースと、その彼女 CODE46 SPUN スパン ONCE ダブリンの街角で マイ・ブルーベリー・ナイツ 幸せになるためのイタリア語講座 エンジェ…
僕はたちはまだこの星でうまく生きていくすべを何も知らない。でも、それを探し続けることこそが僕たちの“幸い”なのかもしれない──。 絶えず我らに依って変化する混沌をもがき、傷つきながらもわかり合おうとする。138億年の宇宙史にはあまりにちっぽけな、…
人生の団体戦を共にたたかう──友の姿に永遠を見た青春の季節。その一瞬にすべてを懸けて走り抜けた夏の思い出を握りしめて、ひとりを生き抜く。いつか違えた道の先にふたたび出会う私たちの約束。 ★4.0
『オカルト』、『カルト』、そして『コワすぎ!』シリーズまで、白石ワールド全開の集大成的なセルフオマージュは、最もコメディーに振り切ったヒーロー映画の“傑作”。 これも一つのさわやかな、世界の終わりの風景を見た。 ☆3.7
2019年よりコロナ禍を経て、人類は一致団結するどころかむしろ世界の分断を加速させる。ますますヴァーチャル化していく生活圏で、与えられた自由に虚構のリアリティーを見る。柵で隔てられた獣同士がまるで安全圏から威嚇し合うように。触れ合うことなく、…
零戦への憧れ、戦場の壮観、核爆発には畏怖なる念を抱く。収容所を生き抜く少年の心を通し、悲惨で愚かな戦争に孕む美しさまでもを映し出す。人間は矛盾に満ちた存在であり、その葛藤こそを表現に託す。 ☆3.2
牧歌的な大家族への憧れ。日本人のDNAに刻まれた仮想的原風景。すべての表現が必ずしも政治的たりえなかった時代の、夏への郷愁。 ☆3.9
友情だ努力だ勝利だとか、それじゃまるでマンガの哲学を当たり前のように内面化してきた我々コミックジェネレイション、ジャンプ一強世代の王道。その一瞬のきらめきを夢中になって駆け抜けた、栄光とそして挫折の日々を懐かしく思う。 ☆3.0
似た者同士がゆえに避け合う母と息子が、それぞれの“世界”で挫折を経てもう一度、視線を交わすまでの愛の変遷。自己愛や、特権階級の傲慢さを露呈する痛々しくも微笑ましいアイロニックな眼差しは、ジェシー・アイゼンバーグの達観した視座。類稀なる才能を…
ロックダウンにおける混乱、そしてゴーストタウンの静寂。クリシェを重ねるジャンルものの様式美にリアリティが加わるコロナ禍以降のゾンビ映画。Z級を思わせる邦題からは予想に反し、ウェルメイドな仕上がりは『ペット 檻の中の乙女』の監督カルレス・トレ…
星条旗のはためく、牧歌的な町村に潜む憎悪の発露。まるでゾンビ映画のごとくロードムービーのフォーマットに沿って、美しき地獄巡りの様相を呈する。かつてはそうしたジャンル映画に戯画化された風刺画のように、あるいはハリウッドが特権的に利用してきた…
右翼っぽいものへの強がり、または左翼っぽいものへのロマンティシズムが若気の至りで済まされず、いまやナチシンパが政権中枢に入り込み大手を振るフィクションを超えた現実世界。まさか四半世紀も前の映画が現代を映す鏡となりえるとは、合衆国の退行を目…
365日を君と過ごした思い出が、どこへ行くにも何をするにも僕をあの頃へと引き戻す。いつも心に君がいる。「楽しかったね」で終われなかった恋の、終わらない恋の終わり。アンハッピーエンドの余韻。上書きされない記憶のリフレイン。二人で歩いた道のりも、…
94年のオリジナル版は、典型的な貴種流離譚にトラウマティックな死の表現が、恐怖に紐付いてこそ子供心に刻まれる原初的映画体験の一つだった。加えて「サークル・オブ・ライフ」、「王様になるのが待ちきれない」そして「愛を感じて」。エルトン・ジョンの…
ケミカル・ハーツ“ティーンという季節の魔法のような、地獄のような、光と闇の宙ぶらりん” ブレスレス“息もできない、喪失を埋める死への恍惚” モダンライフ・イズ・ラビッシュ ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~“過去または遠い未来を夢見る彼の過ちと、現在…