2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧
ドラッグ、売春、少女の変死体に日記と、まるでツインピークスを想起する長閑な田舎町にうごめく欲望と罪の正体。そこはさすがのHBO製作、そして『コンプライアンス』、『ザ・ハント』のクレイグ・ゾベル。愛ゆえの過ち。愛と正しさの相克を描く重厚な人間ド…
招かねざる放蕩息子の帰還。死神、またはデッドマンの哀感あふれるティム・ロスの冷たいまなざし。ビスタサイズの絵画的な構図に、ロングショット、ズームアップを多用する 映画的なカメラワークの陶酔。弱冠24歳の監督デビュー作においてそんな映像主義的な…
デパルマの流麗でアクロバティックなカメラワークが踊るように、パチーノの小粋なモノローグには哀愁のブルースを奏で、裏社会の仁義とその栄枯盛衰をスタイリッシュに、そしてロマンチックに彩る。パラダイスの夕暮れ。 ☆3.7
パチーノ×デニーロの二大スター共演。街の臭気に銃の火薬が煙る。男の美学がむんむんに立ちこめる──あるいは至高のホモソーシャルに巻き込まれる女たちの悲劇。そんな黒い磁場に引き寄せられる少女時代のナタリー・ポートマンもまた。 ☆3.1
ボサボサ頭のグランジなウィノナが超チャーミングな、90'sノスタルジーへの耽溺。 誰もが抱える“あの頃”の、忘れられない悲しき恋の思い出にさようならを。 ☆3.6
ドウェイン・ジョンソンつながりでハムナプトラや、さらにはインディー的なアドベンチャーへと節操なく世界観を広げる続編らしい続編の悪癖。なお、ブレックファスト・クラブ的関係性のその後に陳腐な永遠の友情を語るなど、言うまでもなく蛇足だ。 ☆2.9
『摩天楼はバラ色に』に続き、等身大の心優しき好青年を我らがマイケル・J・フォックスが快演するロマコメの王道。愛かお金か、そんな二項対立とアメリカンドリームがまだまだフィクションに機能するノスタルジックな時代の産物。監督は『アダムス・ファミリ…
心臓発作で死にかけたケヴィン・スミスが、盛大な同窓会にてもはや開き直った自虐ネタを繰り広げる、リブートあるいは続編的メタフィクション。そして『コンビニ・ウォーズ』に続く家族映画でもある。あの永遠のバカコンビでさえ父になる、人生の脇役になる…
意見の違う者を敵とみなし、叩きのめすことで愉悦に浸る。熟議することなく論破することが正義となった時代。水面下では野心と自己保身に走る政治家や、倫理観の狂ったロビイストの暗躍に民主主義は“腐敗”している。融和を図るべくはずの政治が、いつのまに…
一切の見返りを求めない、無償の愛。言葉を介さずとも通じ合う想い。これほどの純粋な喜びと、そして悲しみを果たして知り得たか。命の儚さを、よって人生の豊かさを。犬を飼うことでしか得られなかった、学び多き幸福な日々を何度だって思い出す。 ☆3.6
高所かつ閉所の密室に、一度乗り込めば宙吊りのまま命を預けざるを得ない、生活に密着した最も身近なソリッド・シチュエーション、エレベーターの恐怖に苛まれる日々である。 原案、製作にM・ナイト・シャマランとな。 ☆3.3
傍観者でなく観察者であれ。互いに影響し合う社会的動物の一員として、未知の世界に身を預けてこその学び、気づき。その自己発見に意味がある。 ニューヨークはマンハッタン島のアッパーイーストサイドにおける人間観察記。世界で最も裕福で特異なローカルよ…
今日、この時が終わって酔いが覚めたあとも君はセラピーに行き僕は友達に会うそんなことを続けたい人生は長いしなんだってできる 恋人たちの刹那の永遠。モラトリアムの終わり。 ☆3.5
手作りのミックステープ(CD-R)に想いを託す、幼くナイーブすぎたロマンチストの憂鬱。今を生きれず、過去を生きなおす。 孤独を自由と。何もしないことをしている、人生のムダを生きていると強がる。下手な道化を演じ続ける40男の涙も枯れ果てる。 ☆3.8