散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ホモ・サピエンスの涙

Studio24の住人たちにまた会えたよろこび。

すべてがあまりに早く過ぎ去ってしまう現代の日々に、時間を遅らせるアートの営み。しばしの休息に孤独を癒し、隣人愛をとりもどす。誰もが問題を抱えて生きている、その苦しみや愚かさをオフビートなユーモアで閉じ込める箱庭表現。ブルーグレーの白昼夢は、永遠にも刹那にも憶えるワンシーンワンカットで綴る映像詩である。

“リビングトリロジー”を経て、絶望の闇が深いほど希望の光はあたたかく降り注ぐ悲喜劇の、人間賛歌は揺るぎなく。より一層、脈絡なく連なる33のアンソロジーは、時代も年齢も超えて、すべての愛おしき人類へとその射程を伸ばす。


☆4.1