散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

オンネリとアンネリのおうち

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本当はすべての出来事に理由なんかはないのだけれど、その不思議な偶然の一つ一つに意味を与えて、物語で繋いであげればきっと、この世界はなんて美しく。人生は素晴らしく。色とりどりの感動に溢れた愛と冒険の日々──。ハッピー・エンディングはそうして作られる。

ムーミンの国から届いた〜」との予告編も印象的な『ヘイフラワーとキルトシュー』なんかも思い出す。あれはあれで、童心がスパークするメルヘン──映画に夢中になりだした頃のベストムービーの一つ。

北欧の風景にいまだ理想郷を見てしまいがちなのは、そんな素敵な、平和な映画たちのせいだろう。今では、もちろん福祉国家フィンランドにも問題が山積していることぐらいは──それまた映画によって──知っているし、子どもたちの未来が必ずしも明るく照らされてばかりでもないことを知っていく。だとしてもである。
夢で理想を伝えることと、現実の闇を知らせることの先に、見据える未来への希望は変わらないはずだから。

いつか『ロッタちゃん』にも会いに行きたいな。


☆3.3