散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

THE GUILTY/ギルティ

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リアルタイムのワンシチュエーション、それ以上の時間と空間が我々観客それぞれの主観的な想像力(と思い込み)によって引き伸ばされる。否が応でも、見る者の人生が投影/反射される映画的なるものの本質。
同じスクリーンを眺めながら、誰一人として同じ情景を思い浮かべてはいない。各々、別の映画を見てしまってさえいるというスリリングな体験について改めて考えさせられる。

遡れば、ここフィルマークスの一本目も、同じく想像力を試されるワンシチュエーションドラマの『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』だった。

映画を言葉にすることが豊かな行為であり続けるためにも、自分なりのストーリーに再構築することの危うさを忘れずにいたい。


☆4.1