散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

2021-12-25から1日間の記事一覧

THE GUILTY/ギルティ

リアルタイムのワンシチュエーション、それ以上の時間と空間が我々観客それぞれの主観的な想像力(と思い込み)によって引き伸ばされる。否が応でも、見る者の人生が投影/反射される映画的なるものの本質。同じスクリーンを眺めながら、誰一人として同じ情…

バレット・オブ・ラヴ

喪失の悲しみを愛の幻想で埋め合わせようとする男のロマンチック。チープで冗長で、痛々しく、独りよがりで、荒唐無稽な──映画みたいな──ご都合主義も当然のそれは言うまでもなく彼の妄想だから。 よくもそんな自己憐憫を恥ずかしげもなく開陳できたものだと…

アリー/ スター誕生

『スタア誕生』を知らない身としては、往年のバックステージものそれよりも、必ずや破滅を迎えるがしかし美しい恋という悲劇の、例えば『ラ・ラ・ランド』の変奏として見た。聴き惚れた。そして打ち震えた。 人生でもう二度とない喜びと悲しみ、その全てを昇…