散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

スーサイド・ショップ

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人生は素晴らしいも、人生は残酷も同じ。バナナの皮に滑って転げる人がオカシイのも痛々しいのも同じであるように。ものは見様によって悲しくも愉快にも、美しくも映るのが人の世である。

灰色の街で、悲観に暮れる人々にとって“死”は最後の最後に残された希望の灯火となり得る。
「失敗の人生に、死の成功を!」という宣伝文句にも倣って、せめてたった一度の人生、一度きりの死の瞬間くらいは“悲しみの美”を自らの手で。そんな救いを売る“自殺用品専門店”に招かれるアンソロジー

「さぁ、自殺に乾杯!」

と、絶望こそ笑い飛ばしてみせるのがコメディの真髄ではないか。
ブラックジョークは裏表。
反対の賛成なのだ。


☆3.2

(2018/12/01)