散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

灼熱の肌

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終りが冒頭に断定される愛の経緯において、何ら変哲のない“退屈な美”が恐るべき純度のまま投射される。
空虚、反体制、厭世の情緒は若者のそれ。棘は刺さったまま。青は濃く。
朱夏の始め頃には、人が人生で享受すべき幸福とその反動を経験し終えていた者の映画。若かりし愛の産物。

生きる理由など自明のこと。その喪失においては、愛の自己完結も許される。


☆4.5

(2017/4/28)