散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

TENET テネット

150分の長尺の大半が映画的アクションとは分離した、説明のための説明描写であり、見ることよりも理解することに労を割かれるノーラン節がここに極まれる。逆再生というプリミティブなギミックも有機的に機能しているとは思えず、理の通らない難解さにもギブアップ寸前。高度な科学考証らしきポーズも、うやむやのままエモいヒューマンドラマでお茶を濁す顛末は『インターステラー』でもお馴染みのやつ。だが、あの時ほど、愛やロマンティシズムに振り切れるわけでもなく。終始、乗れず。


☆2.8