感動とは何ぞや、訝しがりながらも何度か全身に鳥肌を立てながら終始楽しんだ。
オリジナルへのオマージュに気が付くほどのSWフリークではない。そんな小細工よりも、もっと大枠に施された物語の推進力に持っていかれたのだと思う。
画力の衝撃でパンチドランクされたままお約束の定型にツボが刺激される。貴種流離譚の雛型に詰め込まれた多数の映像的快楽。サンプリング時代を迎えて久しい飽和期において、改めて理詰めで最大公約数的な娯楽活劇に酔った自分に戸惑いすらを覚えた。
しかし、或いはそれは寧ろ正当な、原初的な映画の作法なのかもしれないとも。
いずれにせよ、映画をよく知っているんだろうJ.J.の手腕にヤラれたというわけだ。
とは言え、例えばミレニアム・ファルコンの重量感や、星の消滅と数多の失われた命への喪失感に、この世界がきちんと重力を感じる世界であったことは間違いない。各パーツが上滑りすることなく物語に定着していた。故に、人間のドラマであった。
ちんちくりんヒロインのカッコ可愛い尊さ。
フィンに泣いたさ。
そして、“美しい”レイア姫の最期にも。
映画史上最大規模の宇宙大河における新旧の接合点として、無下にできない世代交代のシーンを確かに後世に遺し得たように思う。
☆4.0
(2017/3/18)