散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

2019-02-01から1日間の記事一覧

エスケープ・フロム・L.A.

1996年に空想された2013NOW… 「嘘と恐怖による神権政治の新道徳国アメリカ」 こちら2017年…ブライトバートと福音派が中枢で牛耳る現政権。笑ってしまうようなフィクションにリーチかかってるノンフィクションがまるで笑えない。 ☆3.1 (2017/2/14)

アイアムアヒーロー

「ZQNは過去の記憶の中に生きている」と、生きる屍をゾンビ映画の本流に沿って定義付けた物語世界で、男性性を失った、何者にもなれず誰でもないある男が、生まれ変わって名を取り戻すまでの戦い。 ガラガラポンによるヒエラルキーのリセットを夢想する声な…

パージ

内なる暴力衝動が、人々を犯罪に走らせる主因であるとは思えないし、ガス抜きなら、代替装置としての祭りやスポーツの文化を人類は有史以来ずっと備えているのではないか。 現代の病巣は、グローバル化と情報化により疑心暗鬼のまま繋がってしまった故の、外…

リアル鬼ごっこ

早々に観客を突き放したかと思いきや、主役の選手交代を経るごとに奇妙な物語は俄然ドライブ感を増し、クライマックスへ向かう頃には実に映画的な高揚を覚えた。“シュール”に展開する場面に散りばめられるメタファーは一貫したテーマ性を形どり、映画はしっ…

フライトナイト

成人する前、少年が目撃してしまったオトナの男女のまぐわいは、興奮を覚える傍ら、得体の知れないグロテスクな行為でもあった。少年の知らない夜の世界で露わにされる、オトナたちのもう一つの顔。少年の目に映る、それは怪物たちの本性。古今東西、最もセ…

エベレスト3D

山を登る理由に「そこに山があるから」以上の最適解はなく、人生の目的もまた“山”に登ることであろう。それは登山家に限らず、限界への挑戦を欲する人間の衝動のようなものだと思う。その最高峰に登頂し最大の目標を達成したところで、そこに一体何があるの…

サムシング・ワイルド

乙女が白馬に乗った王子様を夢見るのならば、男の子だって、ミステリアスで小悪魔な美女に翻弄されるくらいのシチュエーションは待ち望んでいる。退屈な日常のメインストリームを抜け出し、破天荒な人生へと舵を切る。そのワケを。ずっと理由を必要としてい…

クリープショー

Gの悲劇。この世に存する地獄を見た。 ☆3.1 (2017/1/22)

ディフェンドー 闇の仕事人

世界は時々あまりに複雑で、正しきを放棄しながら進む。善と悪がこんがらがって、圧倒的なリアリズムを前に正義が正論に太刀打ちできなくなる。正直者のまま、真実を見つめ続ける者が白痴と見なされる。されど、悪が蔓延る如何なる時代にも正義はどこがで必…

ベッカムに恋して

意志を曲げずに貫け。自分らしく生きることを、そんな風に表現しがちである。“BEND IT LIKE BECKHAM”原題は、ベッカムのように曲げろ。 ベッカムのフリーキックは独特だ。大きく腕を回し、身体全体で弧を描くキックモーションは優雅で、ボールは大きな放物線…

ラブ&マーシー 終わらないメロディー

並列し、交差する奇才の現在と過去の姿に、散りばめられる名曲の断片。浮かんでは消え、また浮かび、頭の中で流れ続けるメロディとリズム。アイディアは消え失せることはなく、映画はそのイメージを小気味よく挿む。音楽的な調子で、いい感じの“ヴァイブス”…

ショーガール

捨てる神あれば拾う神あり。過酷な生い立ちに、天賦の才は授けられる。その芸を神に、身を民に捧げる生贄として、魑魅魍魎、オンステージの世界に魂を売る……彼女はそんな宿命を蹴り飛ばす。玉座を捨て、運命の螺旋階段から自らの足で退場する。誇りを胸に、…

ペット・セメタリー

一縷の望みに賭けた行いが破滅を呼び込む悪夢。希望であろうと絶望であろうと、取り憑かれた強い念は「呪い」。奇跡を願うことをやめない。代償に、地獄を見ることをやめない。目を覆うばかりの悲劇を、トラウマ必至の映像体験により共有させられる。 ☆3.3 (…

クリスマス・ツリー

皆に等しく寿命はあって。長いか、短いか、凄く短いかの違いであって。その時が訪れるまで、まぁ「楽しくやろうよ」ってことなんだけど。なかなか、そう簡単に一日一日を謳歌出来るもんでもないのが人生ってもんらしく。死は当たり前に存在し、全然リアルな…

マザーハウス 恐怖の使者

首尾一貫の法則。それも“絶対の真実”の一つだろう。 生命は未来への一方通行にしか生きられない。“時が終わった”地点から眺めると、過去とは、唯一絶対の体験。 映画を見ることも、現在から未来への運動。フィルムに定着した、変わることのない物語が再生さ…

ミムジー 〜未来からのメッセージ〜

子どもの純真な心が世界を救った裏で科学の勝利を謳ったおとぎ話。 公開から10年足らず。反知性主義やポスト真実とやらがまかり通ってしまう現代にこそ、望外の感動はあった。 ☆3.4 (2016/12/23)

FARGO/ファーゴ シーズン1

★3.5

ゲットダウン シーズン1

ゲットダウン第1話。5億点。物語に欲するすべての要素がここに結実されていると思えるほどの特別な、“俺のドラマ”との出会いであったことを記録しておきたい。 ★5.0 (2016/10)