「ZQNは過去の記憶の中に生きている」と、生きる屍をゾンビ映画の本流に沿って定義付けた物語世界で、男性性を失った、何者にもなれず誰でもないある男が、生まれ変わって名を取り戻すまでの戦い。
ガラガラポンによるヒエラルキーのリセットを夢想する声なき声。戦争状態に向かいかねないマグマが溜め込まれる日本、或いは韓国を舞台に具現化された阿鼻叫喚の終末世界が、他人事でなく怖くて仕方ない。
「俺が君を守る」で、守りたいものとは、ヒーローでありたいというただの“妄想”であり、呪いでもある、夢。
漫画のヒーローたちに教わった、正義。
☆3.8
(2017/2/13)