散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ようこそ映画音響の世界へ

音楽は感情を支配し、効果音は画面の内外からその臨場感を増幅させる。またアフレコによってシーンに介入さえもする。「映画体験の半分は音である」どころか、無意識的な領域においてはそのほとんどに作用する影の主役。映画の最も甘美なる瞬間、“静寂”すらも作り出された虚像である。

瞼は閉じれても耳は塞げない身体的特徴からして、本来的に視覚よりも聴覚優位。体内からも鼓動が脈打ち、カオスの中にリズムを刻む。常に音の鳴る世界に生きている。ゆえに人生も、そして映画も「すべてが音楽だ」という世界観に深く共鳴すると同時に、自らの映画趣味への理解を深める。

『すばらしき映画音楽たち』では映画音楽を深掘りし、本作で映画音響全般の技術革新を網羅する。映画の見方がきっとかわる。


☆3.0