散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

アルジェの戦い

人間が根源的に自由を欲する生き物である限り、自由が他者の自由をも奪う暴力性を内包するならば、戦争とは極めて人間的な実存の発露として衝動されるものなのではないか。正義か悪かになく、自由か否かの相克を繰り返す。レジスタンスも所変わればテロリスト、または虐殺者に取って代わる。蜂起する民衆の血走った眼に映る陶酔を見よ。彼らの抵抗への意志に喝采を送るばかりの映画ではない。

中立性を謳うジャーナリズムの矜持。革命が持つヒロイズムを排し、ネオレアリズモの影響下に活写する市井へのまなざし。


☆3.4