散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

沈黙

「神の沈黙三部作」の最終編として括られるが、それはベルイマン作品に通底するテーマのようにも思える。愛を巡る欲望と理性の相克。神なき世界に彷徨う人間の悲劇を、光と影、音楽と沈黙の甘美なる調和に紡ぎ上げる。高尚で、官能的なまでの映画芸術の極み。個人的には『去年マリエンバートで』以来の恍惚に酔いしれる。


☆4.0