散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

プリンセス・アンド・ウォリアー

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うんざりするほど、ロマンティッシュ
狂おしいほどに。病的なほどに。
孤独という名の病が見させる奇妙な幻想。

病者でなければ理解されることもないだろう、物語の持つ救済の力を。この悲しみを。とめどなく流れ落ちる涙の意味を。
それ以外、つまりこの悲しみの他には何もかも失った、意味を失っただだっ広いだけの世界で。鳥が空を自由に飛びまわるように、両手を広げて飛び込むロマンティッシュ

未来だろうが、死だろうが。現実が幻になろうと、幻が現実になろうと構わない。暗いトンネルを抜けた先で、微笑みの横顔とまた出会える場所に導かれる運命ならば。

静かに穏やかに、ピアノの和音がリフレインする夢幻的な劇伴に情緒を預けて。
ただあなたの顔が浮かんでは消えるだろう、悲しみの果てへ。


☆4.4

(2018/07/13)