散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

あの日のように抱きしめて

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個人が個人としてではなく、国家や民族によって分断、同一化される戦争。
迫害の犠牲となり、「顔」が失われることは、他人との異同、または他人からの眼差しによって確立されるアイデンティティーが奪われてしまうことを表す。

過去に戻ることもなければ前進することもできない命を“復元”するのではなく、別の新たな人生への再生を心に決めた女の「歌声」。

“Speak Low”

珠玉のラストシーン、終わりと始まりに時が満ちる。


☆3.7

(2018/05/15)