ニューヨークの街をまるごと飲み込む津波のVFXにイメージされるようなディザスターというよりも、思いの外、『地球最後の日』の世界観を理知的に再構成する、市井の群像に本質を見るヒューマンドラマ。どうしたって『アルマゲドン』との比較となれば、その愛とヒロイズムの差異を感じずにはいられない。それを監督の性差に単純化してしまってはステレオタイプが過ぎるのかもしれないが、実際、このようなSF大作を女性監督が手がけることの珍しさと併せて、改めて似て非なる自己犠牲への眼差しに気付かされるところもある。
☆3.5