散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

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燦然と輝く星々の歴史の狭間に、人知れず埋もれていく名もなき兵士たちの物語は転がる。
舞台は戦場にあり。選ばれざる、持たざる者たちも、それぞれの宿命を背負って戦うことに変わりはない。
凡なる戦いへの決意が刻まれる。

SWとは書であると。信じ抜くためには疑いもし、何度も読み込むことを要する読み物であると。
信仰ならば、その聖典に新たな宗派の分かれ目を予感させる『ローグ・ワン』。
似て非なるルック、文法、言語で書き換えられていく神話の解体。

天才の誕生しない時代に、見るものを奮い立たす映画とは。
オリジネーターには遠く及ばないフォロワーたちが果たすべき責務とは。

恐ろしくは美しい至高のクライマックスが、次世代に“カノン”を再び響かせる。
儚く散りゆく“スターダスト”たちの最後の“希望”が『新たなる希望』へ回帰する原典への最大級の敬愛と、それでも更なる物語を紡ぎ、語り継ぐ必要性への本質的な応答が万感にこみ上げる。

May the “Hope” be with you.


☆4.4

(2018/1/28)