散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!

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産休・育休制度について、選択的夫婦別姓について、ジェンダー論、LGBTについて、ハラスメントについて、無痛分娩について、これら日本社会が抱える課題について──
こうも一から十まで説明的でなければ伝わらないものかと、ややもすれば手段が目的化しがちなポリコレ表現の羅列に少なからずの“もやりてぃ”を感じつつも、他方でそれは声なき声の代弁者であることを思えば溢れる涙を堪えられはしない。

さらにはコロナ禍の最中において、どんな妄想も太刀打ちできないリアリティに対し、それでも描きうる虚構ならばこそ。希望という名の正しさの他に何が語れると言うのだろうか。たとえ絵空事のような理想論であっても、あるいは楽観的なハッピーエンドも、それは願い。暗い出口の見えない閉塞感に一条の光を託すものだ。

「不安の共有と理解──安心。」

誰かの、みんなの、「つらい。」に寄り添い、繋がり合うための物語。“一人”にはじまる愛の歌に、新しい「恋」のダンスが、テレビを通してお正月のお茶の間を響かせる。2021年、苦難の年の幕開けに、それでも進み続ける人類へ届け!とばかりに。精一杯のエールを送る、これぞ国民的ドラマの使命を見た。


★4.0