言語が思考を掌り、思考が知覚を体系化する。
結論は前提に先んじて、未来は現在を追い越して存在している。未知との遭遇はいつも先んずるイメージの具象化でもある。
時の流れを鳥瞰するように、過去と未来を等価に認識しながら、ただし死を内在するこの肉体は現在にのみ存在している。現在とそれ以外、刹那と記憶の点と線を同時に辿る人生である。
唯一にして、既に結び終わった“物語”を、それでも生の限り全うすることこそが自由意志であり得ると。
決定論的世界観を抱きながらロマン主義を夢見る、我が意を得たり。生涯の一篇に出会う。
☆4.7
(2018/07/17)