散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

君がくれたグッドライフ

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シンプルに生きて、シンプルに死んでゆけたらと思う。
人生を複雑にする諍いやわだかまりをなくすことは、そう難しいことではないはずなのだ。
遅かれ早かれ、死に向かって生き始めたときに気付くことは、大事なこと以外大事じゃないってこと。どうだっていいものは捨ててしまっていい。
死を見つめることは、決して生を軽んじることではない。その逆だ。

自由への渇望こそ人生の本質であって、何人たりとも奪われてはならない尊厳ではなかったか。
一人で生まれて、死んでゆく。旅の目的も、終着点も、自分で決めればいい。
友ならば理解してくれる。共感せずとも理解してくれる。たとえ理解できずとも、並走してくれるのが友だ。
自由と愛を分かち合う友に恵まれたなら、それで十分だ。

鼓動が止む瞬間と一つの命が失われた世界の風景を、眩い光のカーテンと夕暮れの絶景に切り取るこれは、それも一つ、人間の営みへの賛歌である。


☆3.8

(2017/12/31)