散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ある女優の不在

自由がないということの哀しみ、それ以上のおぞましさを感じさせる、もはやある種のホラー。イラン革命以後のイスラム共和制にのみあらず、抑圧的な“習慣”がすでに根付いた市民の相互監視に、囚われの身の女性たちの絶望を掬い上げる。

2022年、再びパナヒが収監されたというニュースの数ヶ月後、“ヒジャブ”を巡る一人の女性の死に端を発した抗議デモはかつてない広がりをみせ、イラン全土を揺らしている。


☆3.7