散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ミッドナイト・スペシャル

f:id:eigaseikatsu:20190209030814p:plain

昨夜は疲れていた。
例によって映画を見始めるも、ものの数分でうとうと、闇夜のハイウェイに浮かぶ車の眩しいヘッドライトの“光”に目は虚ろ。
長いまばたきの隙間に流れる本編より連想されたイメージが1カット、2カット、断片的に挿し込まれる物語を目にしている。
映画と夢が混じり合う半覚醒が心地いい。
脳内で創作されるイメージは無制限に支離滅裂になってもいいはずなのに、案外ストーリーラインに沿ってその分岐点を増やしていく。まるで省略された物語のサブテキストというのは言い過ぎとしても、余白の多いSFドラマに適当な“特典映像”が特異で豊かな映画体験に導く。

これも映画の作為なんだと思った。
映画という“メディア”を信仰する者だけが浸ることのできる上位世界。
映像を言語に語られるユートピアの幻視。

佳い映画は眠ってしまっても佳い映画である。
どうせ夜は眠るのだから、夢ある夢を。
エブリディ、ミッドナイト・スペシャル。


☆3.7

(2017/09/22)