コーヒー産業には是正すべき搾取構造が温存されているだろうことは想像に難しくなく、そのような側面への大局的な見地はほぼオミットされてしまっていることが気にならないと言えば嘘になるが、コーヒー文化への憧憬、浪漫、その神聖なる美を物語ろうとするカメラの無邪気な眼差しに共感を覚えなかったと言えばそれも嘘になる。
庶民派コーヒー愛好家としては、毎朝毎晩“コモディティコーヒー”を飲む生活に変わりはないのだろうけど、知らないよりは知っている人生だ。
コーヒーの“果実”の海を渡る冒険に思いを馳せて、味わいも深まる。
☆3.5
(2017/09/23)