散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア

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人間のグロテスクな本性と、世の不条理の条理をまるで無感情に鳥瞰する神の視点。あるいは悪魔の冷徹な眼差しに平伏す人々の異様な、滑稽な。しかし全く笑えない薄ら寒さが終始、画面を支配し続ける。

「イピゲネイアの悲劇」をモチーフに、その“メタファー”によってのみ構築されるストーリーテリング
神話的な整合性の元に閉じられた不条理劇の、西洋的な、それこそ父権的な“正義”の論理に窒息しそうなほどの。


☆3.7