散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

がんばれ!ベアーズ

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勝利至上主義に向けられる疑心のまなざし。大人の醜悪を見透かす子供たちの純真。これぞ映画的な、雄弁なる沈黙のハイライト。その1シーンをもって名作たりえる、ベースボール・ムービー・クラシック。

友達でなくとも、チームメイトたりえる。色んな個性を持った者たちが、共に何かを成し遂げることの至上の価値。結果を追い求める過程において育まれる得難い信頼関係こそ、チームスポーツの醍醐味に違いない。
人生はチーム戦であるという信条も、おそらくはそんな経験に培われたもの。得てして、試合に負けて勝負に勝つことの尊さを知ったのもそうだ。

それは目指すべきものであって、全てではなかった。

勝ちたいのか?楽しみたいのか?という二者択一の愚問がリフレインする学生時分を思い出す。あるいは、まさしく反面教師と言うべきヘボ監督に、ささやかな抵抗を繰り返した日々を。


☆3.8