散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

風が吹くとき

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無関心ゆえの無知、あるいは無知ゆえの無関心──しかしそれにしたってあまりに残酷な不条理が襲う。その悪夢の光景、地獄絵図を眼前にしては、「無知は罪なり」と断罪する気など起ころうはずもなかったのだ。

愚かだろう、憐れだろう、そんな老夫婦のほのぼのとした日常を破壊する馬鹿げた戦争こそ、やはり憎かろう。

戦争の“風”を吹かせるのは彼らや私たち一人ひとりの無知に違いなかったとしても、それでも。


☆3.1