散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

サンタクロースになった少年

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サンタクロースになった少年。
その名は、ニコラス。

サンタクロースが、“聖(セント)ニコラス”に由来することは、学校の自由研究で題材に選んだ時からもう知っていた。
それだけクリスマスが特別な子だった。お正月よりも、クリスマス。誕生日プレゼントよりもクリスマスプレゼントの思い出ばかりがよみがえる。

それは今も変わらず。一年で一日だけかもしれない、こんな穏やかな気持ちでいられるのは。一年に一夜、用意しておいたクリスマス映画を観ている時間だけが、すべてに許され、すべての重荷を下ろすことのできる、心休まるひととき……そんな気がする。

なぜなら、きっと、今夜だけは、世界が愛にあふれる一日だから……
なんて、けったいなロマンティックを恥ずかしげもなく披露してしまう大人にもなってしまったさ。

目には見えない大切なことを思い出させてくれるクリスマスのファンタジー──だけど、思い出すまでもなく忘れずに、その精神を365日生きる人生でありたいと、“少年”は願ったから。


☆3.0

(2018/12/25)