散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ヘイル、シーザー!

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所変われば品変わる。時の流れによって定義は多極化する。
厄介な物語。「神」という信仰の物語。

ハリウッドに勃興した新派。
巨大セットや絢爛な美術、衣装にうそぶかれる、愛を歌う夢物語。
虚業が作り出す虚像。光で語られる虚像に真理を見出さんとする、うちらは神の子、「映画」の子。
“光で綴られた永遠の物語”の子。

父なる、偉大なる映画人たちを。憧憬、あるいは信仰の対象を、小ばかに茶化すようなコーエン兄弟の映画愛のカタチは抜群にスマートだし、却って深いオマージュが伝わってくるというもの。


☆3.5

(2017/6/08)