散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

トイ・ストーリー3

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「権力は脅しでなく統治される者の同意から生まれるべきよ」
バービー人形のそんな訴えが浮かないくらいに、トイ・ストーリーはおもちゃの世界に社会性を持ち込んでいる。
キャラ化された性格やヴィジュアルからオブラートには包まれてはいるが、手を抜かずシビアに集団心理を描いてきたシリーズだ。

アンディは、「ウッディのすごいところは友達を見捨てないところ」と紹介するが、はじめからそうだったろうか。名ばかりだった保安官がシリーズを通して、奮闘の果てに手に入れた資質ではないだろうか。
そんなウッディの成長は、画面には映らないアンディの成長への言及でもあるだろう。
友との出会い、そして別れ。彼にも、誰しも、人知れずドラマを紡ぎ今があり、“相棒”がいた。

トイ・ストーリー三部作、ここに完結。
アンディとウッディの別れ。それは、少年が少年を終えたということ。
しかし。人生は続いていく。大人になればもっと酸いも甘い。恋もするだろう。
ジョン・ラセター曰く、第4作は、ラブストーリーとのことだ。


☆4.3

(2016/03/08)