散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

トイ・ストーリー4

ハッピーエンドのその先。完璧な三部作のその後にも、語るべきものを語るピクサーの意志と創造の力に感服する。当初の懸念を見事に払拭する、真の完結と称するに相応しい傑作。もしかしたらシリーズ最高の一作を見たかもしれない。

アンディの成長に時の流れ、そして別れを描いた前作より、おもちゃの存在に親としてのメタファーを色濃くするシリーズにあって、子の親離れの次に訪れるべきは親の子離れである。

誰かのために生きるのではなく、自分の人生を生きるべくは親も一緒。役割を終えた自身の“第二の人生”への決意を謳うと共に、きっとちょっと親孝行的な、これまでの恩返しを願うような愛の眼差しに照らされる──。

なんて広くて美しい世界、その無限の可能性を“彼女”にももっと知ってほしくて。予告通りのラブストーリーをもって、一つの物語が終わりそしてまた始まるのだ。


☆4.6