2019-01-21から1日間の記事一覧
華奢な体には重過ぎるリュックを背負って、旅に。山あり谷あり。登山とは人生のようである。 道中は、ひたすらに思い出が頭の中を巡る。悲しみも喜びも、断片的に蘇る。大好きな母がよく歌っていた「コンドルは飛んでいく」を口ずさむ。 すべては、自然のま…
目で語り、視線の交差がドラマを生むもの。それが佳い映画だった。吐息が交わり、肌が触れ合う距離で紡ぐ会話劇。これも映画だった。 嘘か真か煙に巻くような話をしながら、身も心も近付け合えるのは赤の他人だったから。はじめましての彼女。 "Loving stran…
世には、句点を使わず一文で構成された実験的な読み物も存在するそうで、この映画の質感としても、まるでそのように句点なくそれぞれの情景がシームレスに連なり、ミステリアスな収束に向かって流れゆくもので、“このお話のいいところは終わりのないこと、穴…
少女の面影のままに映画界を去った、パトリシア・ゴッジ。 髪をアップに束ねてうなじを見せれば、ワンピースを腰のあたりでキュッと括ってくびれを見せれば、ぐんと大人びた表情を見せる年頃。女の子のお人形遊びを卒業する頃合い。新しいパートナーは父のス…
原題“実存を省みる枝の上の鳩”は、有名な絵画「雪中の狩人」からの着想が窺える。ロイ・アンダーソンは、その丘の上から、人の憐れを可笑しみの眼差しをもって描いてきた。足掛十四年。前二作から成るリビング・トリロジー“人間であることに関する三部作”の…
『シャーロック・ホームズ』シリーズを経て、臆面もなくやおいバディものを仕立てるようになったのは、個人の趣味が解放されているのか何なのか。マッチョな2人から滲み出る肉体的なエロス、否定できない。 それはさておき。スタイリッシュという曖昧な形容…
しゃべる犬猫、しゃべる××に囲まれて。ヴィヴィッドなピンクを差し色に、なんてポップでキュートな倒錯者のヴィジョン。従って、まともな人間の視界に垣間見る陰惨な光景への落差。 “I know you are suffering.I'm gonna help you.”これ、ヤバイ奴の言い草だ…