散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

コードネーム U.N.C.L.E.

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シャーロック・ホームズ』シリーズを経て、臆面もなくやおいバディものを仕立てるようになったのは、個人の趣味が解放されているのか何なのか。マッチョな2人から滲み出る肉体的なエロス、否定できない。

それはさておき。
スタイリッシュという曖昧な形容も定着するガイ・リッチー。言い換えれば、現代的な映像表現と表層的な物語進行に、心が離れてしまうことも少なくない。
だが、東西冷戦時代、スパイアクション、60年代のファッションやメイク、その様式こそをスタイリッシュさせるという具合の今作は、技巧と指向性がマッチしていて非常に乗りやすい作品になっていた。

ラスト4分の1をノンストップで魅せる快楽的な演出はさすがに巧い。時間軸の入れ替えやスプリット画面もお手の物、スピーディーなカット割にアンサンブルするBGMも俄然シャレオツ。
謎解き、伏線回収の要素がありながらシンプルに纏め上げていることが何より素晴らしく、そのことが作家性の提示にもなっていると思う。

ガイ・リッチースタイルの決定版ではないか。

カメオ出演ベッカムには全く気付けなかった!)


☆3.9

(2016/04/03)