散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

スピリッツ・オブ・ジ・エア

ダークシティ』が夜の桃源郷ならば今作は昼のそれ。真っ青な空とオレンジの大地を割る地平線、ブロークンヒルの荒野に未だ嘗て見たことのないポストアポカリプスを構築する。唯一無二のヴィジョンをスクリーンに映し得る、その一点に映画の価値は大いに示される。

あの頃のオーストラリア映画のテクスチャとしか言いようのない郷愁にもかられ、なんとも甘美な夢現をたゆたう。


☆2.9