あの、“ライアン・ゴズリングがシリアルを食べてくれない動画”の投稿者が今作のもととなる短編の作者だったという驚き。そしてしばらくしてアップされたライアン自らがシリアルを食べるVine動画が、長編化への志半ばにしてこの世を去った彼への追悼であったということを改めて知る。劇中のオマージュを含め、映画製作のサブストーリーにおいて一つの“ハリウッド・エンディング”をすでに迎えている。ある意味、幸運に恵まれた作品とも言えるだろうか。
『glee/グリー』meets『ショーン・オブ・ザ・デッド』のようなミュージカルとゾンビコメディの融合、さらには『ブレックファスト・クラブ』みのある青春群像と、おまけにクリスマスムービーとしての多幸感までもを纏った、しかしれっきとしたB級ホラーは知恵と工夫と情熱の賜物。
ゾンビはいつも愛する者たちを死で分かつ。スプラッターには人体の脆さを気づかされたりもする。ホラーと名のつくものに描かれる命の儚さ、つまりはその尊さに触れて生を確認するもの。
☆3.8