愛しくて愛しくて、“死ぬほど”涙がこぼれそう。
美しい世界、素晴らしい人生。
あなたの優しさ。いつだって最高のあなた。
カーステレオに流れるお気に入りのヒットソングが、声にならない言葉を、言葉にできない感動を歌う。
毛先をピンクに染めて、少し猫背のポップな反逆児は、恋も挫折も小さな絶望も軽やかに、時にド派手に乗り越えるタフで賢い女の子。
過ぎゆく反抗の季節と共に、さよなら、愛しの“レディ・バード”。少女はもう立派に、大人の入り口へと一人向かう旅路。
沈む夕日に大嫌いだったはずの故郷を懐かしみながら、一編の“ラブレター”を携え……例えばこんな映画に想いを託して……帰りたい帰れない我が道を歩み始める、旅立ちそれは別れの季節。
煩わしくも愛おしいあなたへ。
離れてみればわかること。離れなければ言えない言葉を伝言メッセージに残して。
「ありがとう」
「愛してます」
それじゃ母さん、行ってきます。
☆4.3