"Welcome to the frickin' Guardians of the Galaxy."
まったく乗れずに疎外感に苛まれながら、これはスペースオペラだからシリーズを通して回を重ねるごとに良くなっていくのだと、なぜか無理にでも自分を納得させてきた第一作より数年の時を経て。願った通り、一足遅れて彼らの“ファミリー”の一員になれたことがまずはなんだか嬉しいのだ。
世界観やキャラクターについては準備OKで始まる続編ならでは、早速、ファンタジーに没入してはそのエモーションやその“意味”に触れることに集中できる。
“Awesome Mix”にしても、今作ではむしろ名脇役として絶妙なアンサンブルを奏でているように思えた。
と言うのも、邪道のヒーローたちの物語ゆえに深化する王道の人間ドラマがしっかりとど真ん中に貫かれていたから。それをVol.2 では見出すことができたから。
クサい台詞はいらないぜ、とばかりに照れ隠しのギャグで愛の言葉には水を差す面々だけど、最後の最後に涙のダムは決壊。
愚かさや、醜さ、怒りや、怯えに隠された心の奥の方に“エンパシー”する映画は、孤独なはぐれ者たちの悲しみに温もりを、眠れぬ夜にしばしの夢を見させる。幾重ものポップでカラフルな眩い光線で編み上げられた夢が、心にぽっかり空いた大きな穴を塞ぐ。
暗闇で独り夢見ていただろうユートピア、それはディストピア。永遠のコスモスなど無でしかない。誰かがそれを天国だとでも言うのならば、“神”にも楯突くアンチヒーローは“地獄”の混沌を踊り続ける。
この瞬間を生きろ、と。
見上げれば広がる大空の“青”も、そう笑いかけてくれているように感じる。
スーパーヒーロー。
まるで太陽のような。夜を明かし、燻んだ視界を照らす光。
夢とは言っても、起きて見る夢、希望の光である。
"It's a beautiful new day, hey hey"
雨は止んだのだ。
☆4.6
(2018/07/09)