散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ウィッチ

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禁忌を強いて、善と悪を定める信仰にあらば邪悪の概念は生み出され、その化身としての魔女が創造される。

他方、魔女の存在は、抑圧に押しつぶされ、砕かれる魂が最後にすがる灯火ともなり得る。この世に、地獄の業火に焼かれる責め苦を生きる者にとって、畏怖なる闇は光を覆す。
神の名において、信仰という名の呪いを解放し得るものは邪悪の他にない。

コルセットを脱ぎ解き、欲望を露わに舞い上がる少女の歓喜。まさにそのもの、カタルシスに昇華される悲劇。映画とメタファーの不文律に感無量である。


☆4.3

(2018/06/03)