散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ディストピア パンドラの少女

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人類が700万年もの歴史で獲得した知能は、ただ一つ、種を存続させるための進化。生存競争の成果である。
人類とて現在でも、人の皮を被った獣であることに変わりはない。

食物連鎖の長に君臨したところで所詮は獣。そして獣は、46億年を数える地球の“ライフサイクル”での、ほんの一端でしかなく、連続する生態系においては生も死もない、すべては共生関係にあるのである。

欲望に従い、肉を食らってはしばしの満腹感に葛藤を覚え。そんなことを思うのも、心あってのこと。好奇心というパンドラの箱を開けて以来、心を持ってしまった人類の悲劇。

仲間を想い、愛を交わし、物語に涙する人間という変種。彼らこそ地球を滅ぼすウイルスならば、生態系は彼らをまたさらに変異させるだろう。


☆3.8

(2018/05/20)