2019-01-19 吸血鬼 映画ポエム ホラーは過ぎるとコメディに反転する。恐怖と笑いはコインの表裏とでも言えよう。そんな、感情のコインが表か裏か定まらない経過の不穏を、ポランスキー映画は演出する。しかし、今作は安心して笑っていられる。端からパロディで、ドタバタ。悲劇に見舞われる以前のポランスキーには、こんな純然たる喜劇作があったのか。 永遠に美しいままの存在となったシャロン・テートの姿には、胸が痛む。美しいほどに。ポランスキーとの口づけは、虚実入りまじり、時が止まって目に映る。 ☆3.5 (2016/03/09)