堅固な壁と砕け散る卵があるとすれば、私は常に卵の側に立つのである。
後出しの判官贔屓でも、そういう性分なのだから仕方がない。
少数派の、アンノーマルの、ダークスターたちの肩を持ちたがる。
スーパーヴィランとは名ばかりの半端なはぐれ者たちが、如何せん、弱い。“悪”も“邪悪”も貧弱な世界観。明らかな失敗作である。
だがしかし、嫌いな奴らもきっと誰かの愛しい人であるように、愛すべき駄作は存在し得るのだ。
下手なDJ MIXの如く紡がれたストーリーは味気もなく破綻寸前であるが、断片にはポップでカラフルなフレーズが残存している。
デヴィッド・エアーの元、常軌を逸した役作りによって虚実を横断して結束された“スクワッド”。
ハーレイ・クインを筆頭に、ラブリースマイリーベイビーなキャラクターたちの確かな絆。
世界一美しいロックシンフォニーはまだイントロが流れたに過ぎない。
☆3.9
(2017/08/25)