散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

真実の行方

カトリック教会を巡るスキャンダルや、刑法における精神障害責任能力の問題など、ジャーナリスティックな題材を扱いながらも、ロマンスとサスペンスの交錯する、あくまでエンタメ映画としてのどんでん返しに舵を切る法廷劇の是非。

事実の追求の先にあるそれよりも、陪審員(観客)の心証に訴えかける幻影の中に真実を作り出す。法廷劇と映画、または演劇的なるものとの危険な親和性を、まんまとそのミステリーに惑わされて思う。


☆3.4