散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

ローマの休日

可憐なオードリーに見惚れ、忘れがたいいくつもの名シーンを数えながらも、やはり個人的には、無言のラストシーンにこそ20世紀最高の名画たる白眉を見た気がする。

目と目で通じ合う、二人だけの秘密。愛の語らいを静かに見届ける神の視点より、まさしく映画的なるものの美と言う他ない。過ぎ去る一瞬に永遠を刻むかのような、甘美なる沈黙に酔いしれる。


☆4.0