散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

黒い箱のアリス

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いくら悲しみの慟哭が耳を突き刺し、どれだけの痛みがその柔らかな肌を貫こうとも。または如何なる残酷に手を染めてまでも、守り抜こうとする“思い”。

たとえ報われない思いと知りつつも。それがどんなに“空虚”であろうとも。あり得べき最善の未来へ──執着せざるを得ない過去へのタイムループ。そして悪夢は繰り返される。

つまり失われしリリィ。
黒に呑み込まれる純真。
少女たちを襲うトラウマという名の呪い。


☆3.1