散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

テイキング・オブ・デボラ・ローガン

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ともすれば、迫り来る死そのものよりも恐ろしい病。記憶から自我の喪失までを伴う進行性の恐怖が、所詮はオカルト的な悪夢に収束してくれるならば、むしろこんなに気の休まることはない。
虚構性を増すほどに恐怖が和らぐ本作。モキュメンタリーの擬似性に忠実である前半部こそ心の動揺は抑えられないが、さらに言えば、常軌を逸した老婆の形相に得体のしれない幻覚が広がる──そのポスターがピークであった事実。
心穏やかなエンディングは駄作の功名。


☆3.0