散文とロマンティック

旧映画生活の備忘録

NOPE/ノープ

未知との遭遇×ジョーズといったスピルバーグ的スペクタクルを表層に、深層に映画についての映画を語る。

カメラを向ける暴力性、本質的に見世物である映画の残酷性を、らしく“幻の黒人スター”を背景に、寓意に富んだ、謎に満ちたホラーに展開する。黒い肌と闇が溶け合う発明的な色彩設計と、古典的なジャンル映画の設定に現代的な風刺を読み解くメタ構造。ホラーと社会批評、フィクションと現実が深く結びついた“最悪の奇跡”をジョーダン・ピールは撮り続ける。


☆3.7